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昔大国だった事を示すデンマーク10・20クローネコイン!!

小国デンマークが、昔は大国だったことを示すクローネコイン

 今日は、歴史がたっっっっくさん!!詰まりに詰まった、デンマークの高額硬貨

 

10クローネと、20クローネコインについて調べてみたら

 

またまた、おもしろい背景が見えてきました(*’) 

 

 

どうぞお付き合いください・・・

 

 

 

 まず、コインに何が書いてあるのか読んでみました?

 

10、20クローネのマルグレーテ2世女王を取り囲む文字 

 

MARGRETHE Ⅱ♡DANMARKS DRONNINGは、 

 

 

「マルグレーテ2世♡デンマーク女王」

 

 

と書かれています。 

 

 

このハートマークは、デンマーク造幣局のあのマーク????

 

 

国内に造幣所が複数あったり、外国に造幣を依頼する場合に、どこで作られたものかを示すのが

 

ミントマークです(*^^*)

 

デンマークの場合、国内の1か所ですべてのコインが造幣されているので

 

ミントマークの本来の役割は果たしていなく、むしろハート模様をデザインとして活かそうと

 

現在のシリーズのデザイナーさんがあえて大きくした様です。 

(詳しくは、前回のブログをご参照くださいね) 

  

 

次に、女王の肖像画の反対面を見てみましょう・・

 

周囲は「10クローネ」「20クローネ」の文字と

 

前回お伝えしました「先史時代の波模様、そして王冠👑

 

 

波模様は力の象徴・王冠は女性の魅力UPの意味が実は有るんです(^.^)

 

 

デンマーククローネのコインリングと言ったら

 

1,2クローネが人気ですけども、10クローネ、20クローネのコインも

 

リングになる部分にはなかなか豪勢なデザインがぎっしり詰まってません?ヾ(*´∀`*)ノ 

 

 

金色で分厚いコインなので指輪にしたら、メッチャカッコいいです!!

  

 

さて、その中央部は、デンマークの国章です。 

 

 

 

3頭の獅子と9個の、えーと・・、こちらは残念ながらハートじゃあないんですって(‘Д’) 

 

 

まあ、ハートに見えてかわいいですよね~

 

 

しかも、コインではわかりませんが、実物の国章は、ちゃーんと真っ赤 

 

これらは、スイレンの葉っぱなんだそうです。 

 

 

 

こんなような形なんですって~ 

 

 

え?誰がそんなことをって?(;^ω^) 

 

 

しかも、真っ赤なのに、スイレンって言い張る・・・??(;一_一) 

 

 

今からちょうど50年前、1972年にデンマークの勅令で

 

国章のこのアイテムは「Søblade(ゼーブラーデ、デンマーク語で「湖の葉っぱ」=スイレンの葉)

 

である、ときっちり決められたそうです。 

 

 

1972年からなんで、今のマルグレーテ2世女王が即位されたタイミングに合わせてだと思います。

 

 

その150年ほど前の、1819年

 

 

国王フレゼリク6世の時代に、紋章の3頭の獣は「ライオン」

 

「ハート」の数は「9個」と決まりました。

 

この時定められたデザインが、現在まで使われているんです(^.^)

 

 

 

14世紀の国章には、真っ赤な「ハート」が25個もちりばめられていた時代が・・・・

 

 

あーら、残念(;^ω^) 

 

てかなんぼハートが好きやねん!!

 

 

さらにさかのぼること550年 

 

色についても赤であることが、1270年ごろに描かれた絵から、最古の記録が見られるそうです。

 

 

さらにさらにその100年前 

 

3頭のライオンの紋章は、クヌート6世国王の時代、12世紀末の1194年には使われていたようです。

 

 

その頃の日本は・・・1192年いい国作ろう、鎌倉幕府

 

古いですねえ~~(;^ω^) 

 

何か、日本の文明がいかに進んでいないかお金でも分かりますよね?

 

 

 

さてこちらのコインをご覧ください。 

 

 

これも、3頭のライオンですよね? 

 

こちらは、エストニアの1クローン硬貨

 

(エストニアは、2011年からはEUの共通通貨ユーロを導入しています。) 

 

デンマークの3頭のライオンとそっくり! 

 

 

 

バルト海を渡ったデンマーク

 

エストニアとデンマークの国章のほうは偶然の一致ではなく、歴史的な理由がありました。 

 

1219年~1346年まで、現在のエストニア北部がデンマーク領だった時代があり、その名残りです

 

 

当時、今のエストニアの首都タリンのあたりに、デンマークが要塞を築き

 

その時からタリンの街の紋章がデンマークの3頭のライオンになりました。 

 

 

マタマタ話がそれますが、古いのは国章だけにとどまらず、

 

赤地に白十字のデンマークの国旗も現代まで継続的に使われている世界の国旗の中で

 

 

最古の国旗(^.^)

 

 

 

1625年制定。あと3年で400年ですね! 

 

国旗も江戸時代の初め頃から続いてたんですね(*^^*)

 

 

1625年というのは、ギネスブックにも認定されている記録ですが、

 

言い伝えでは、デンマークがエストニアを支配しようと派兵した1219年

 

戦場に空から旗が舞い降りてきたと伝えられています。 

 

 

 

ちなみに、日本の白地に赤の「日の丸」の起源はいろいろあるようですが

 

1180-1185年の「源平合戦で源氏が掲げたのが始まりというのが一つの説だそうです。

 

 

デンマークより古いですね(*’) 

 

 

それにしても、旗ってやはり、戦場で生まれるものなのですね!

 

 

その後、幕末の1850年代に日本の船に掲げられ、1870年に「御国旗」として規定されました。

 

法律で「国旗」として定められたのは、ようやく1999年(最近?) 

 

 

デンマークによるエストニア支配が終わった後、「3頭のライオン」はタリンの紋章から

スウェーデン領エストニア公国(1561~1710年)の紋章

そしてロシア帝国領エストニア(1796~1917年)の紋章へと、受けつがれてきました。 

 

あ、でも、ハート型のかわいい赤い「スイレンの葉」は、エストニアには伝わらず(^.^)

 

 

エストニアが伝える、デンマークの「3頭の獅子」

  

1917年、ロシア帝国が内戦に陥ると、ラトビア、リトアニア、ポーランドと時を同じくして

 

翌年エストニアもロシア帝国から独立を果たします。 

 

 

今、ロシアに侵略されて大変なことになっているウクライナも、この時同じような流れで独立!

 

 

当時の新生ウクライナにはソビエト赤軍が軍事侵攻し数年で倒され

 

ソビエト連邦に併合されてしまいました。

 

 

エストニア他バルト三国の独立も20数年しか続かず、第二次大戦中にソ連に併合されてしまいます。 

 

 

ソ連時代(1940-1991年)はエストニアのこの紋章は使用を禁じられていましたが

 

1991年にエストニアがソ連から独立した後、再び「3頭のライオン」が国章になり

 

エストニアの独自通貨クローンに描かれました。 

 

 

エストニア・クローンも、使われたのは1991年~2011年の20年で終わり

 

その後はユーロが導入されました・・・

 

 

ユーロ硬貨の片面は、各国オリジナルのデザインが描かれていますが

 

エストニア版ユーロコインには、エストニアの国土の形が描かれ

 

デンマーク生まれの「3頭のライオン」は姿を消してしまったのだ(^.^)

 

 

 

デンマークと「赤いハートのスイレン」つながりの、

 

ドイツ、オランダこのハート型、真っ赤なスイレンの葉の図案は

 

デンマーク以外にも、ドイツやオランダでも見受けられます 

 

 

ドイツ北西部のデンマーク国境地帯からオランダ北東部にかけての北海沿岸は

 

ドイツ語ともオランダ語とも英語とも違うフリジア語が話される「フリジア」と言いますが、

 

その中でオランダの1州、フリースント州の旗がこれです。 

 

 

 

なーんて楽しい旗!(*’) 

 

また、このオランダのフリースラント州を「西フリジア」と呼び、

 

オランダと接するドイツの海沿いの地域を「東フリジア」、

 

デンマークと接する北ドイツの海岸沿いを「北フリジア」と呼びます。

 

「フリジア評議会」という、これら3地域の連合体組織がありますが、この旗も素敵です。 

 

 

 

これらフリジア3地域共通の旗も提案されていて、 

 

 

 

「ハート」がこーんなにかわいい!(*’) 

 

 

1235年~1806年まで北ドイツに存在した、ブラウンシュヴァイク=リューネブルク公国の紋章にも

 

立っているライオンの周りをこの真っ赤な「ハート」が13個取り囲んでいます。

 

 

現在のリューネブルク市の紋章も、門の中に5個の真っ赤な「ハート」に囲まれたこのライオンが!

 

リューネブルクは、ヨーロッパ有数の岩塩の産地として有名(^.^)

 

 

塩好きの僕にはメッチャ興味が・・・

 

 

現在のリューネブルクの市章 

 

 

過去には、今の北ドイツの一部がデンマーク領やスウェーデン領だった時代があります。 

 

また13世紀から16世紀まで、北海からバルト海にかけての

 

西はイングランド、オランダ、アイスランドから、ドイツや北欧を中心に、東はポーランド

 

現在のバルト三国、ロシアにまたがる100以上の都市が加盟した「ハンザ同盟」が栄えた時代も!

 

 

その中で「ハート」の赤いスイレンマークが広まったのかなあ、と想像が膨らみます。 

 

 

先ほどのリューネブルクも、ハンザ同盟都市でした。 

 

(ドイツやオランダ、どこかの国レベルの紋章やコインにまで広がってくれれば・・・・(;^ω^)) 

 

  

 

イングランドもデンマークに支配されていましたが

 

「寝そべった3頭のライオン」の国章と言えば、もっと大きな国のが有名ですよね。 

 

最後に、それについて触れておかないわけにはいきませんね・・・(;^ω^) 

 

 

はい、イングランドの国章です。

 

 

イングランドの国章もデンマークと同じ、寝そべった3頭のライオンですが、 

 

これは、偶然の一致でしかないそうです。(;^ω^) 

 

 

 

写真は、イギリスの1シリング硬貨です。 

 

「スコットランドの盾」バージョンも発行されていますが、

 

これは「イングランドの盾」バージョン。イングランドの国章である、「3頭のライオン」が

 

 

もういちど、デンマーク、エストニアの国章も並べてみますね。 

 

 

 

 

 

イングランドも、デンマークに侵略、支配されていた時代が確かにありますが、

 

もう少し古い時代で、9世紀から11世紀末にかけてでした(西暦800年頃~1075年頃 

 

クヌート6世の、デンマークの3頭のライオンが確認できる最古のものは1194年! 

 

 

イングランドに3頭の獅子の紋章が登場したのは、1198年!

 

 

デンマークがイングランドの支配を失って100年ほど経ってから、両国は同じ時期に、

 

3頭の寝そべったライオンを国章にしたようです。ただし、異なる配色で(^.^)

 

 

すーごい偶然ですね 

 

 

(ほんとにただの偶然なのかな・・・?(;一_一) 

 

 

でも、証明できる史料が発見されるまでは、偶然、としかいいようがないのですね(;^ω^)) 

 

 

イングランドは、赤地に黄色のライオン

 

エストニアとデンマークはともに、黄色地に青いライオンです。

 

(厳密には、エストニアの下地は、山吹色です。)

 

そしてデンマークの国章には真っ赤なハート型の・・、スイレンの葉。 

 

 

 

この20クローネ(と10クローネ)には、そんな900年前のお話が詰まってたのですね! 

 

 

ちなみに、1219年にエストニアを支配下に置いたデンマークは、1346年にその支配を失いますが

 

1397年からはノルウェー(と、ノルウェー領だったアイスランド、グリーンランドを含む)

 

スウェーデン(そしてスウェーデン領だったフィンランドを含む)

 

を従えさせた三国同盟「カルマル同盟」を結び、

 

その盟主として北欧の、いえ、ヨーロッパの大国にのし上がります。 

 

 

歴史を感じますね~~~(*^^*)

 

 

 今回も色々調べたら未だ書き足りない・・・

 

なので次回もデンマークコインにする予定です。

 

 

 

ぜひお楽しみにお待ちください(^.^)

 

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